9月に入ったので、保有している日本株を全部棚卸ししておこうと思います。損益率までぜんぶ出しますし、うまくいっている銘柄も、正直まだ迷っている銘柄も、同じトーンで書きます。
9月に入って早々、国内の長期金利が約30年ぶりに3%台へ乗せました。保有の4割近くを銀行に置いている身としては無視できない動きなので、今回はそのあたりの整理も一緒に書いています。
普通の会社員が、機関投資家の視点を借りながら資産形成をしていく過程をそのまま公開するのがこのブログの趣旨です。良いところだけ切り取らずに「今、実際どう考えて持っているか」を残しておきます。
今の保有状況(9/1終値ベース)
| コード | 銘柄名 | 損益率 | 前回(8/28)比 |
|---|---|---|---|
| 2334 | イオレ | +16.62% | -3.99pt |
| 3105 | 日清紡HD | +107.00% | +10.91pt |
| 7011 | 三菱重工業 | +2.47% | -4.49pt |
| 7337 | ひろぎんHD | +63.11% | +2.90pt |
| 8117 | 中央自動車工業 | +5.35% | -1.92pt |
| 8306 | 三菱UFJ FG | +21.67% | +1.38pt |
| 8473 | SBIホールディングス | +10.70% | -4.30pt |
| 9432 | NTT | +15.45% | +4.60pt |
この日本株口座だけで見ると、評価額は2,375,620円、含み損益は+499,724円(+26.64%)です。ここに現金730,280円を足した口座全体の合計は3,105,900円になります。あくまでこの証券口座単体の数字で、資産全体の話ではない点は先に断っておきます。
前回の+27.24%からは0.60ポイント下がりました。日清紡HDが伸びた一方で、三菱重工業とSBIホールディングスが削られた形です。
この2営業日で起きた3つのこと
1. 長期金利が約30年ぶりに3%台へ
9月1日の午後、新発10年物国債の利回りが3%を超えました。1990年代後半以来の水準です。
この日の株式市場は、日経平均が朝方に700円以上下げたあと切り返して小幅安、一方でTOPIXは9営業日続伸という、ちぐはぐな動きでした。値がさの半導体株が売られる裏で、銀行・商社・鉄鋼・電力といったバリュー株に資金が移っていたように見えます。実際、私の保有でも銀行系は3行そろって上げています。
金利上昇は銀行にとって利ざやの改善につながりやすいので、ここは素直に追い風だと考えています。ただ「金利が上がり続ける前提でずっと持ち続ける」というのも危うい話なので、そこは後半で書きます。
2. 中央自動車工業に株式の売出しが出た
8月28日の引け後、保有している中央自動車工業から「株式の売出し」と「自己株式の取得」が同時に発表されました。売出しの規模は、発表時点の株価で計算すると90億円あまりです。
ここで大事なのは、これが新しく株を発行する増資ではないという点です。売り手は損害保険会社や生命保険会社で、いわゆる政策保有株の解消にあたります。会社が新株を出すわけではないので、1株あたりの利益が薄まることはありません。
それでも発表翌営業日の株価は3.5%ほど下げました。短期的には「市場に出回る株が増える」という需給の話が意識されたのかもしれません。売出価格は9月7日から10日のあいだに決まる予定なので、そこまでは値動きを見ておこうと思っています。
3. 日清紡HDが政策保有株の売却を発表
そして9月1日の引け後、今度は含み益が一番大きい日清紡HDから、保有している他社株(四国化成ホールディングス株)200万株を売り出すという発表がありました。売却益は第3四半期に特別利益として計上される見込みです。
面白いのは、中央自動車工業とちょうど立場が逆だという点です。中央自動車工業は「政策保有株を売られる側」、日清紡HDは「政策保有株を売る側」。同じ政策保有株の解消でも、株価にとっての意味は反対向きになります。
売却額は、相手先の株価から単純計算すると50億円前後になりそうですが、いくらで売れるかは9月9日から14日のあいだに決まるので、利益の金額はまだ分かりません。それに、これはあくまで一過性の利益で、本業が伸びたわけではない点は割り引いて見ています。
銘柄ごとに何を考えているか
2334 イオレ(+16.62%)
仮想通貨を軸にした新しい金融インフラと、提携先が進めているクレジットカード事業に賭けて持っている銘柄です。8月末には、以前から予告されていた暗号資産の追加取得(総額1億円)が予定どおり完了しました。
ただ、保有の中心にある「オンチェーン金融事業がどこまで数字になるか」という仮説は、まだ答え合わせの途中です。直近の四半期時点では通期計画に対する進捗が非常に低く、そこが改善しているかを11月の決算で確認するつもりでいます。値幅で振り回されないよう、無条件で撤退するラインと、自動で売れる注文の両方を先に決めて持っています。
9月1日は3%近く下げましたが、この日は新興市場全体が売られていたので、個別の材料というよりは地合いの影響が大きかったのかもしれません。
3105 日清紡HD(+107.00%)
もともとは「減配しない高配当銘柄」という理由で買った、地味な配当狙いの銘柄でした。それが含み益2倍を超えるところまで来ています。
仮説(無減配の配当銘柄として持つ)が当たったというより、想定していなかった上振れが起きたというのが正直なところです。ここは分けて振り返るようにしています。今は配当より「増えた含み益をどう守るか」を考える局面に変わっていて、自動で利益を確定させる注文を入れたうえで持ち続けています。
上に書いた政策保有株の売却がどう評価されるかは、これからです。
7011 三菱重工業(+2.47%)
一度利益確定したあと、決算発表前に「業績は良いはず」という仮説で買い直した銘柄です。実際に大幅な増収増益で仮説は当たりましたが、決算前に入るという入り方自体は、外れれば下に大きく振れるリスクの高いやり方だったとも思っています。結果が良かったことと、判断のやり方が正しかったことは分けて振り返るようにしています。
8月末からの数日で含み益がかなり削られて、保有の中では一番薄くなりました。受注の積み上がりを主な判断材料にしながら、今のところは持ち続けています。
7337 ひろぎんHD(+63.11%)
長期金利の上昇局面で恩恵を受けやすい地方銀行として持っています。金利が上がるほど利ざやが改善するという単純な仮説ですが、含み益は保有の中で2番目に大きい水準まで伸びました。9月1日まで6営業日続けて上げています。
前回の記事で「含み益が大きいのに、利益を守る注文の見直しが後回しになっている」と書いたのがこの銘柄です。その宿題は8月末に一度片付けたので、次の章で書きます。
8117 中央自動車工業(+5.35%)
自動車部品を扱う会社で、高い収益性と、指数への新規採用に伴う需給の期待を理由に持っています。上に書いた株式の売出しでいったん下げましたが、翌日は反発しました。
売出しそのものは、長い目で見れば市場に出回る株が増えて流動性が上がる話でもあるので、悪い材料と決めつけずに見ています。
8306 三菱UFJ FG(+21.67%)
地方銀行だけでなく、同じ「金利上昇・株主還元強化」というテーマにメガバンクからも分散したくて買いました。自社株買いや株式分割への期待もセットで持っています。こちらも6営業日続伸中です。
8473 SBIホールディングス(+10.70%)
仮想通貨・ステーブルコインの領域で、日本の中心的なプレイヤーの一角だと考えて持っています。イオレと合わせて、このテーマへの投資を2銘柄に分けている形です。
8月末には、ネットショップ作成サービスを手がける上場企業への公開買付け(TOB)の開始と、新しい株価指数への採用が発表されました。それでも株価は下げていて、金利上昇局面で買われてきたぶんの利益確定が出たのかもしれません。銀行というより証券・ネット銀行・投資が混ざった会社なので、金利以外の要因でも動きやすい銘柄だと思っています。
9432 NTT(+15.45%)
これだけは値上がり狙いではなく、配当を目的にした長期保有です。連続増配の実績に加えて、2,000億円を上限とする自社株買いが進行中である点も評価しています。株価がしばらく動かなくても気にしないと決めています。
前回の宿題:「利益を守る注文」を見直した結果
前回の記事の最後に、こう書きました。
含み益が一番大きい2銘柄ほど、利益を守るための注文の見直しが後回しになっている。うまくいっている銘柄ほど「まだ大丈夫だろう」と手を止めがち
8月末に月1回の見直しをやったので、その結果を残しておきます。
ひろぎんHDは、損切りラインを引き上げませんでした。ルール上は直近1ヶ月の安値のすぐ下まで引き上げるのが整合的で、実際そうしようかとも考えました。ただ、この銘柄はもともと「配当をもらい続ける前提の長期保有」に格上げしていて、株価が少し下がっただけで自動的に売れてしまう仕組みとは相性が悪いんですよね。1ヶ月前にも同じ理由で据え置きを選んでいたので、今回も同じ判断で通しました。
同時に、金額で決めていた利益確定のライン自体をやめました。「株価がここまで来たら半分売る」というルールを以前作っていたのですが、これは「配当を長くもらう」という方針と正面からぶつかります。同じ日に置いた2つのルールが矛盾していたことに、あとから気づいた形です。
代わりに置いたのが、金利のサイクルで判断するというルールです。
- 利下げが囁かれ始めるまでは、銀行株は下げたら買う
- 利下げが視野に入り始めたら、そこで初めて利益確定を考え始める
長期金利が3%まで来ている今、利下げの話は市場の織り込みにまったく入っていません。当面このルールは発動しないと思っています。
ひとつ自分でも引っかかっているのは、銀行株が天井を打つのは「利下げが始まるとき」ではなく「利上げの終わりが見えたとき」であることが多いという点です。つまりこのルールは、構造的に少し遅れる可能性があります。そのぶん、利上げの織り込みがピークを打っていないかは毎日記録するようにしました。判断は変えないけれど、遅れているかどうかは見えるようにしておく、という折衷案です。
正直に書いておくと、ひろぎんHDについては損切りラインを決めてはいるものの、証券会社に注文としては入れていません。急落したときに自動では売れない状態は残ったままです。ここは今後どこかで詰める必要があると思っています。
振り返ってみて思うこと
並べてみると、ひろぎんHD・三菱UFJ FG・SBIホールディングスの銀行3行で評価額の約40%を占めていて、金利上昇というひとつのテーマにかなり寄っています。単一銘柄で一番大きいのは日清紡HDで、評価額の2割弱です。分散できているつもりでも、テーマで見ると偏っているというのが率直な感想です。
金利が3%まで上がってきた今は追い風ですが、追い風のときほど「どこで降りるか」を先に決めておかないと降りられなくなるので、今回ルールを作り直したのはタイミングとしては悪くなかったと思っています。
もうひとつ。今回のように、引け後に出た会社の発表を翌日以降に知るという場面が続きました。私の場合、大引け直後にその日の記録をまとめる習慣だったので、16時以降に出た発表が構造的に抜けていたんですよね。地味ですが、こういう手順の穴のほうが、銘柄選びより先に効いてくる気がしています。
おわりに
9月からは更新のペースを上げていくつもりです。数字を並べるだけでなく、それぞれの銘柄をなぜ持っているのか、どこで降りるつもりなのかを、その都度言語化して残していきます。
仮説が合っていた銘柄も、想定より上振れただけの銘柄も、判断のやり方自体に反省が残る銘柄も混ざっています。次は9月中旬の日銀の会合と、中央自動車工業・日清紡HDの売出価格が決まるタイミングで、また書こうと思います。
※本記事は投資の勧誘ではありません。個別銘柄の売買はご自身の判断でお願いします。記載した数値は執筆時点のもので、正確性を保証するものではありません。

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